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人財の生産性向上には「引き算」が必要

人手不足が進み、生産性向上は各社の課題となっています。


これまで自社に無かった設備・制度・システムなどを新たに導入する、施策の「足し算」が散見されますが、こと人財の生産性向上において、必要なのは施策の「引き算」です。


ここで、一般的な人事施策の「足し算」例を見ていきます。


(1)退職防止のために「労務管理システムを導入」する

上記のように整理すると、退職防止に向けた有効な打ち手は「上司とメンバーの対話機会を作ること」などが上がってきます。便利な労務管理システムの導入によって上司がメンバーの状態を察する機会・能力を奪うことになりかねません。


(2)人財育成に向けて「階層別研修を導入」する

上記のように整理すると、人財育成に向けた有効な打ち手は「上司がメンバー1人1人に合った仕事をアサインすること」などが上がります。大人の学習には必要性を感じることが必要と言われていることからも、実務と離れた研修制度を整備すること以上に、現場での学び(OJT)を充実させることが有効な解決策になるかもしれません。


これら2つの施策はよく見受けられる事例ですが、「足し算」することで反対に解決から遠ざかってしまうというケースも散見されます。なぜこのようなことが起こるのでしょう?

世の中の課題は「技術が解決する課題」と「関係性が解決する課題」の二つに分けることができます。「技術が解決する課題」とは新たな技術の「足し算」によって解決する物理的な問題です。「関係性が解決する課題」は話し合いによって解決できる人間的な問題が該当します。


豊かになった現代において「技術が解決する課題」は、もうあまり残っておらず、世の中に存在する課題のほとんどが「関係性が解決する課題」だと言われています。しかし豊かな時代の私たちは、新たな解決策を手に入れやすいことから、ついつい「足し算」で解決しようとします。


人財の生産性向上を「関係性が解決する課題」と受け止め、便利な解決策をあえて「引き算」し、対話によって解決を図ることが求められています。

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